2006年04月19日

基礎知識―名人戦移行問題3

今回の問題を理解する上で、最低限これだけは知らないと、ということを説明します。
(1)日本将棋連盟の機関
〇棋士総会
将棋連盟はプロ棋士(引退した棋士も含む)を会員とする組織です。連盟の意思を最終的に決定するのは、年に一度開かれる「棋士総会」です。棋士一人一人が決定権を持っています。国会のようなものを想像してください。今度の総会は5月26日に開かれる予定で、そこで、今回の問題に対する最終的な決定がなされるはずです。
〇理事会
連盟の普段の運営を行うために、総会で理事を選出します。もちろん理事もプロ棋士です。この理事によって構成されるのが「理事会」です。今回の問題で意思決定をしているのは、今のところこの理事会レベルであり、一般のファンからは理事会を批判する声がみられます。多くのプロ棋士にとっても、今回の話は突然だったようで、棋士のブログを見ると、彼らがかなり騒然としている様子が窺えます。
(2)名人戦
各新聞社が契約金を出して、タイトル戦と呼ばれる棋戦を行っていることは前にも述べました。サッカーなら天皇杯、競馬なら有馬記念など、みなさんも聞いたことがあると思いますが、将棋のタイトル戦もこれらと同じようなものです。
「名人」とは、古くは江戸時代からある称号で、その頃は世襲制でしたが明治以降純然たる世襲は崩れて、昭和になって、実力制に変更されました。将棋界では最も古く、権威のあるタイトルと言えます。
この名人戦ですが、実力制の名人戦が創設されてから、毎日→朝日→毎日と主催者が移ってきた経緯があります。基本的には、いつも契約金のことが問題になって移行が行われているようです。今回も、朝日新聞は毎日新聞よりも多い契約金を用意して、名人戦主催の話を理事会と合意しているようです。
(3)経緯
理事会は朝日新聞との交渉を経てから、毎日新聞に契約の打ち切りを申し入れました。問題は毎日新聞との契約期間がまだ残っていることです。突然表面化した今回の問題ですが、毎日新聞が納得しなかった場合に、契約が解消できるのかどうか、法的な問題があります。さらに、理事会による一方的とも見える通達に対して、一般のファンからは道義的に問題があるという非難が少なからず上がっています。この「信義」の問題は、いずれ詳しく考えてみたいと思います。
posted by さがみ at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/16779688

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。